具体的には,結局「本当の現実」が人間発電所がある世界だと判明するまで.
前半では,第4の壁を意識しつつ作品だけでなく作品を取り巻く社会すらも俯瞰した展開で最高.
これはトイストーリー4みたいな傑作になると思った.
しかし,そうはならなかった.
後半で制作会社変わったかな?ってくらい,前半の良かったところが全部なかったことになって,
話も前半と後半でつながってないし,設定と展開がチグハグに.第4の壁ってなんですか?って感じの脚本でドタバタアクションしつつそれも不完全燃焼で終了.
なぜこうなってしまったのか.本来の物語を想像してみる.
人気ゲーム「マトリックス」を作っているネオ.
大ヒットしただけでなく,多くの人間の人生に影響を与えた.
「マトリックス」は多くの分岐世界(モーダル)が同時並行で存在し,
「マトリックス(映画)」の世界はその中の一つであった.
何人ものモーフィアスがいて,何人ものトリニティがいる.ネオはプレイやー自身であった.
そんな中,ゲームクリエイターのネオは違和感を感じ始める.
「マトリックス」の世界と現実の世界の境目が曖昧になっている気がしたのだ.
そして,会社の襲撃のシーンが起こる.
自分が作ったはずのキャラクターが,自分が作ったはずのセリフで自分を説得しはじめる.
「マトリックス」が外の世界に与えた影響は現実を変えていく.
「マトリックス」から出てきた何通りものモーフィアスやトリニティと共に,マトリックスの無数の世界をたどりながら,「マトリックス」から現実を守るために戦う.
マトリックスレザレクションズとの違いは,「本当の現実がどこか」だけ.
のび太の夢幻三剣士のように,当初はフィクションが現実を侵食していく話だったじゃないかと思う.
そうでなければ,前半での世界を俯瞰した繰り返しの描写や,違うイメージのモーフィアスの説明がつかないと思う.
こんな話だったら良かったなぁ.